「米」という漢字

なぜ「コメ」が「米」になったのでしょうか。ご存知ですか?

「米」という漢字を分解すると、「八」「十」「八」になります。

「88」。

この理由は、お米を作るには88工程の作業があったからだと言われています。

実際に88個の工程だったのかは不明ですが、古代の日本では「八」には「数が多い」ことを示す意味もあったので、それほど多くの作業が必要であったという説もあります。

当時の日本では、それだけ人の手が必要で自然に育つようなものではありませんでした。

それでも、日本人は手間ひまをかけて一生懸命にお米を育ててきたのです。

 

なぜなら、「米」は昔の日本人にとって非常に魅力的な食材だったからです。

 

その理由は大きく2つです。

 

一つ目は、「収穫量が多い」こと。

計算上ですが、現代では一般的に500~1000倍の収穫量があります。

わかりやすく言うと、10粒ほどのお米が育てば、1合分=約6500粒は確保できる計算になります。

江戸時代では30倍、奈良時代でも10倍程度。

他の代表的な穀物である小麦は現代でも20~30倍、奈良時代は8世紀ごろですが、似たような時期である中世ヨーロッパでは3倍程度の収穫量だったそうです。

これを比較すると手間ひまはかかるがその恩恵は絶大だったということ。

 

2つ目の魅力的な理由は、「優れた栄養価」にあります。

主成分は吸収されやすくエネルギーのもとになる炭水化物。

他には、タンパク質やカルシウムなどのミネラル、ビタミンも含んでいます。

昔は精米技術も進んでいなかったので主に玄米を食べていました。

その玄米はさらにビタミンB1や食物繊維も豊富で、ナイアシン、葉酸、脂質なども多く含んでいます。

タンパク質のもとなるアミノ酸もほとんどの種類をフォロー出来ます。

1970年ごろの日本人はタンパク質のうち、1/3~1/4をお米に頼っていたと言われているくらいです。

体内で作ることができない必須アミノ酸のバランスも良く、さらに炊いている間には腸内環境を整えるオリゴ糖も作られているのです。

 

このように作業だけではなく、収穫量や栄養も非常に多いという当時の日本人の体感や経験からも「八」が重なった「八十八」という字の組み合わせで作られたのかもしれませんね。

 

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