【令和の米騒動】が起きた本当の理由
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2024年8月。
お店からお米の姿が消えました。
「令和の米騒動」ともいえるこの現象はどうして起きたのでしょう?
これはいつまで続くのか、日本は食糧難におちいっているのか、
そんな不安や疑問にお答えします。
「令和の米騒動」が起きたワケ
ここ数年見たことのない、スーパーやドラッグストアなどお店のお米の棚が空っぽ、という風景。
この現象の引き金になったのは、
『南海トラフ地震への不安』
です。
令和6年8月8日に発生した宮崎県日向灘での地震から、政府が「南海トラフ地震」の発生の可能性を示したことで、全国的に不安が広がりました。
終わってみれば、それからなにごともなく、8月15日の国の発表により、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」による特別な注意の呼びかけが終了しました。
それでも、多くの人に「いつ起きるかわからない大災害」が強く印象付けられました。
さらに、その直後の16日に台風7号が関東に接近したことも影響しました。
その結果、災害対策として一部で日用品や食料品の買いだめ、買い占めが起こったことが「令和の米騒動」最大の原因です。
影響が拡大した理由
キッカケは大災害への恐怖心ですが、それに付随して、
- 元々、お米の在庫が少なくなる8月だったこと
- 去年(2023年)が猛暑の影響で不作、品質が低下した地域があったこと
- 食料品の値上げラッシュで価格が安定しているお米に注目が集まったこと
- インバウンド需要の影響で業務用のお米の需要が上がっていること
- コロナ禍の影響で、作付け面積が減っていたこと
などが重なったことで、
この「令和の米騒動」とも呼ばれる状態になりました。
米不足は一時的なもの
ということは、この米騒動は、一時的なものだと言えます。
もう全国各地で2024年の稲刈りも始まっています。
暖かい地域や収穫が早い品種からスタートしているんです。
さらに、1カ月もすれば、日本の代表的、作付面積No.1品種の「コシヒカリ」も一般的に出回り始めます。
ですから、米不足がずっと続くということはありません。
大型の台風などの天候の影響はありますが、もともと稲刈りのシーズンは台風のピークと重なっています。
直近では、台風10号がちょうど刈取り予定と被っていますが、たとえ被害があったとしても収穫のタイミングを調整したり、できる対策や準備もありますし、全国で栽培されていること自体がリスクヘッジになっています。
平時にこそ、有事に備える
もともと、日本ではお米の備蓄を国を挙げて、そして自治体、個人までとても意識を高く持っていました。
新米を食べるのは、天皇陛下が新嘗祭(にいなめさい)において召し上がるだけ。
その年にとれた新米、前年にとれた古米はすべて備蓄に回し、人々が日ごろ食べるのは2年前の古古米。
それだけお米を備蓄していた理由は、
- 日本が天災、天変地異がとても多いこと
- お米ほど長期保管できるものがなかったこと
が挙げられます。
日ごろから、有事を意識することが当たり前だったのです。
自然災害が多いということは、それだけ自然が豊かだということの裏返し。
だからこそ、何かあったさいは一致団結し、助け合う日本人らしさが育まれていったのでしょう。
常に未来を心配する、ということではなく、前もって準備をしておくことで今に、目の前のことに心を寄せることができます。
ぜひ、この機会に防災や何かあったときの準備をしておきたいですね。
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