【石川県金沢の美味しいお米】 旅行・観光に行かずとも味わえる加賀百万石の歴史と文化
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本年度から新たな産地のお米をご用意できました。
石川県金沢市の【忠縄(ただなわ)町】と【梅田(うめだ)町】と【北森本(きたもりもと)町】。
金沢駅から車で約20分ほどですが、とても美味しいお米の産地。
なんと加賀百万石、前田家御用達のお米でもあったそうです!
このエリアのお米が美味しい理由や3つの町に伝わるエピソードをご紹介させていただきます。
【忠縄・梅田・北森本】ここのお米が美味しい理由
石川県金沢市の北部に位置する3つの町。
ここで作られたお米が美味しい理由は大きく2つあります。
- 森下川(もりもとがわ)の豊富な水
- 粘土質で水はけがほどよい土
米づくりにとって水はとても重要な要素です。
水稲栽培では質はもちろん大量の水を必要としています。
その水は、すぐそばに医王山から河北潟まで流れる二級河川「森下川」から十分に供給されています。
さらに、水を管理するうえで土の質もお米の質に大きく関わっています。
米づくりに適している土は、「ほどよい」水はけのある土。
稲の生育段階では水を抜いたり、また入れたりするため水はけのよさは必要です。
一方で、水分を保つことも必須なため、水はけがよすぎるのも問題になります。
そんな豊富な「水」と米づくりに適した「土」が揃っていたのです。
歴史的にもエピソードがいっぱい
産地のことを知る、どんな場所なのかを知ることでよりごはんを楽しめます。
この地域について調べてみると、
平安時代後期から鎌倉時代にかけて興味深いエピソードに富んだ地域でした。
【忠縄(ただなわ)町】をもっと楽しむ
「忠縄」という地名は寿永年代の源平北国合戦のさいに
「源氏の大将本村に本陣を構え忠縄手と云々」とあり、
陣地=縄張りから忠縄という地名がつきました。
寿永元年は1182年で平安時代の終わりの時期です。
この10年後には「いいくに作ろう鎌倉幕府」が有名な1192年で鎌倉幕府が開かれ、鎌倉時代が始まります。
それから700年ほど江戸時代まで防衛の要所としてのお役目が続きました。
他からの侵攻を防ぎ戦うために、多くの鎧兜や刀といったものから、
さらに少し離れた山の土地も頂戴していたそうです。
(鎧兜や刀などはほとんど戦時中に鉄資源として回収されたそうですが、一部のお宅には残っていました。)
【梅田(うめだ)町】をもっと楽しむ
一方、梅田町はその名前の由来が興味深いものでした。
能の演目の一つに「鉢木」という徳川家康も好んだストーリーがあります。
「鉢木」あらすじ ーーーーーーー
貧しい佐野源左衛門尉常世(さののげんざえもんのじょうつねよ)がある雪の日に一人の旅僧を自分の大切な梅と桜と松の三本の鉢の木を火にくべてもてなしました。
常世は親族に領地を奪われた武士であり、
鎌倉で何かあれば誰よりも先に駆けつけると心意気のある人物でした。
その後、鎌倉の北条時頼は関東八州の武士に召集をかけます。
そこにはみすぼらしい出で立ちながらも常世がいました。
実は、旅僧は北条時頼であり、召集も常世が本当に来るのか確かめるためのものでもあったのです。
時頼は鎌倉にきた常世を褒めたたえ、横領された土地の回復と、三本の鉢の木のお礼に、梅、桜、松にちなんだ加賀国梅田庄、越中国桜井庄、上野国松井田庄の領土を与えます。
ここまで ーーーーーー
詳しくはこちら。
the能.com【演目辞典:鉢木】
この加賀国梅田庄が現在の金沢市梅田町として続いています。
富田景周「三州志」や久教軒譲益「道中記」にも同じような記載もあります。
【北森本(きたもりもと)町】をもっと楽しむ
また北森本町には、参勤交代のルートとしても利用された北国街道(旧北陸道)が続いており、城下の北の門としての役割を果たしてきました。
今も歴史を感じさせる松並木が美しく続いており、訪れる人々を魅了しています。
由緒あるこれら3つの町は地続きとなっています。
【加賀百万石前田家御用達】前田利家が愛したお米!?
加賀百万石で知られる前田家のお殿様が特に好んで食べたと言い伝えられているのがこのあたりで取れたお米だそうです。
収穫したお米を土蔵に集めて、小作人にお願いして運んで献上していました。
残念ながら、文献などには残っていませんでしたが、
地元の公民館や農家の方々などにインタビューをさせていただきました。
この地域にはそのように語り継がれた「森本音頭」という民謡もあったそう。
そんな米づくりに適した土地と常世や当時の武士のように一本気な方々の努力によって美味しいお米がとれていたのかもしれませんね。
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地元で語り継がれる自慢のお米の中から、
今回はコシヒカリとひゃくまん穀の2種類をご用意できました。
ぜひ、産地のエピソードや当時に想いを馳せてお楽しみください。